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「フッテージ」(2012) [映画・テレビ]

落ち目の犯罪実録モノ作家が新作執筆のための新居で見つけた8mmフィルムには、複数の家族が…後ろ手に縛られて木に吊るされ、プールに沈められ、車と燃やされ、寝室で首を切られ、芝刈り機で挽かれ…と、様々な方法で惨殺される様子が撮影されていた。経済的に困窮して次作のヒットが必要な主人公はそのむごい犯罪の証拠が勿体無くて警察に通報出来ない。
1960年代から連綿と続く家族が殺され子どもが一人拐われる、同じ手口の連続猟奇事件。
精神疾患を持つ子供の父親でありながら、自宅仕事に選ぶネタにしてはあまりに危険。
案の定、子供の具合は悪くなる。

「エミリー・ローズ」の監督だからまぁ間違いはないだろうと。
でも「地球が静止する日」の監督でもあるんだよなぁ。

主人公は地元の副保安官(保安官には世間をミスリードする俗悪作家だと嫌われてる)や大学教授の力を借りて(あくまでも個人的に)調査を進めるんだけど、犯行が記録されている8mmフィルムが良く出来ているのに比べて、挿入される「怪奇現象」「怖いもの」がことごとくタイミング悪くて手探り感満載でボタンを掛け違えてて間抜けで失笑モノなのはどうしたことか。
猟奇サスペンスに行きたいのか、主人公の精神失調からの転落に行きたいのか、ブギーマンネタのアメリカローカルの都市伝説ホラーに行きたいのか。
なんだか監督が脚本も書いて自分のお金で製作してイーサン・ホーク一人雇えるだけのちっちゃい企画だったのかなぁ。5年のブランクの間に仕事してないことで家族に何か言われたのかしら?
そんなことを思ってるうちに、意外にも主人公は執筆を諦め家からも撤退してしまう。家族と自分の為に!
ありがちな破滅まで粘らなかった!これはえらい!
と思ったのもつかの間、転居先の屋根裏に殺人現場の家で燃やしたはずの8mmが…そして追いかけてきたのは月並みなエンディングもだった。
あぁもうなんというか恐ろしい!
五年ぶりの仕事で、製作と監督と脚本を一人が兼ねて誰も止めない企画が恐ろしい。
二回くらい他人の手で絞りあげたら、あるいはあるべき姿になりえたんじゃないだろうか。

ホントに勿体無い!
殺され方はどれもなかなかだったのに。
特に家族四人並んで家の木に一斉に吊るされてだんだん動かなくなるとか、
手押し芝刈り機の進路を映すだけの退屈な映像にふいに縛られた被害者がフレームインしてくるショッキングさとか、
そこそこ良くなる要素に満ちてたんだけどな。
作り手の混乱かな。
續 さすらいエマノン (リュウコミックス)ミツヨシ完結編 (上) (ミツヨシ完結編) (JC.COM)
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