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「アイ・フランケンシュタイン」(2014) [映画・テレビ]

劇場。
現代まで生きていたフランケンシュタイン博士の作ったあの名無しのモンスターが、神と悪魔の戦いに巻き込まれて…というB級の下くらいの。
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こういう、神だ悪魔だモンスターだSFだみたいな愚にもつかないB級の下が大好きなツレに教えたところ、これがキレイにひっかかりまして、あの出不精が映画館探して雨の中見に行こうとか言ってきましたよ。

主人公のモンスターは無名の新人かポール・ベタニーがやりそうなところ、なぜかアーロン・エッカートが特殊メイクでツギハギの死体役で主演。
デニーロもやった役ですよ、とか言ってダマされたんだろうか。
それとも何年かに一回、何作かに一回は主演をやりたいところにつけ込まれたんだろうか。

基本、ろくでもないのは分かってるんですよ。ソレはいいんです。
想像通りのまごうことなき、ザ・B級の下でしたよ。ソレもいいんです。
ひとり1800円ですよ。定価ですよ。ソレだっていいんです。

ちょっとおもしろかったのは、最初っから最後まで、何が起きているのかを、いったん絵で見せているのにその後に登場人物が全部口で説明し直すという二度手間をするという…。
そして、作中人物がただの一回も「会話をしない」という…。
いや、お互い交互に喋ってるんで会話のように見えてしまうんですが、一切キャッチボールせずに言いたいことをぶつけ合ってるだけ…という…あ、これは「会話をしてるふり」!と気づいたときには正直ゾッとしました。しかも映画を先に進めるための都合の良いトークですらないという…すごかったなぁ。

でも不思議と腹はたたないんですよ。
この中二病でラノベでコミュ障なクソ脚本と、ツッカエツッカエ行きつ戻りつブレーキとアクセルを小刻みに踏むクソ運転で乗り物酔い起こして吐け!みたいなクソ演出に、劇場でひっどい目に遭わされてますけど、腹が立たないんですよ。
それは、最初のネタ一個の素敵さが、こんな脚本演出という足手まといの大荷物をぶら下げてるのに最後まで走りきるだけのパワーがあったのを無視出来ないから。
ほんとにそのネタ一個だけがたまらなく素敵なんですよ。百難隠す勢いで。
数寄屋橋次郎に卸されるマグロのとろのような(行ったこと無いけど)超素敵な最高のネタ。
その最高のネタを、くそ脚本とくそ演出(どちらも同じ人ですが)はジャムで煮るようなことをしてくれましたが。
そんなの食わされたのに、なんで我々は怒り狂ってないの?という自問自答に「味はさておきお腹はふくれたから?」と結論。
映画の最後、名無しの怪物がたどり着く終着点に、もしちゃんとした脚本と演出がなされてたら大感動していた可能性すらあります。

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