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「ハートロッカー」(2010) [映画・テレビ]

DVDも出てるのかしらんけど劇場で。
劇場は戦中派な年齢のおじいちゃんおばあちゃんばかりでギョッとする。漏れ聞こえる会話から察するに最高齢は80代後半。大丈夫なのか。
というわけで、この奇妙な空間ではボクが一番若い!(笑)

さて本編。
うあ、むちゃむちゃ良いではないですか。
ポール・グリングラスは良い仕事をしてたのに、この「大ごちそう」の前では、無味乾燥な新聞記事でちゃちなドラマを包んだだけのフィッシュ&チップスに見えてしまう。
このゴッテリ感。
満腹でしかし胃もたれ無し。
崩壊して混沌とした市街での作戦行動は、何が石くれで何がC4なのか、誰が何の罪もない市民で誰が爆弾の遠隔装置を隠し持ったテロリストなのか劇中の兵士同様観客のボクにもまるでわからず、それが現場の兵士たちに酷い緊張を強いられることをとことん思い知らせる重厚な演出。
「見慣れない外国人は顔の区別がつかない」という使いやすいネタも本作ではクッとノドの詰まるような切ないひねりを加えて使われている。あぁ、今振り返ると一度ではない、二度三度切ない。
ビグロー監督の演出はグリーングラスよりキャメロンより(笑)マッチョ!
かっこええ。
しかも着地点はグリーンゾーン同様やるせない現在進行中で終わりの見えない現実なのに、映画館を出てきた時の気分が違うのはエピローグ前にポンと唐突に挿入されたデザートのおかげなんだろうなぁ。
マッチョかつ繊細で緻密で気が利いてて、しかも全キャストほぼおっさんのみの撮影をコントロールする現実の剛腕力。
素晴らしいわ、リアル・サラ・コナー。惚れ直しました。

これで次にレンタルしてきたデ・パルマの「リダクテッド」を続けてみれば(多分、がっかりするんだろうけどさぁ!)ボクの中でイラク戦争モノはひとまず一段落だなぁ。

いつかアメリカの圧がかかってないドキュメンタリーが作られたら見たいけど。
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