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「ダンテ01」(2008) [映画・テレビ]

ジャン=ピエール・ジュネ監督とのコンビで「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」などの傑作を手掛けたマルク・キャロの初単独監督作。
しかも宇宙が舞台のSF!これはワクワクですよ。
舞台は全編とおして、ダンテと呼ばれる死の星の軌道を周回する拘留所衛星の中。そこには新薬の実験台になることを条件に極刑を免除された狂的な犯罪者6名と、彼らを「治療」する2名の医師、医師を囚人から守る2名の守衛が暮らす宇宙の密室です。
ステーションや、囚人の耳の後ろにネジで留められる監視装置などのガジェットも最高。囚人も医師もキャスト全員がスキンヘッドというのも良い雰囲気です。
DANTE01.1.jpg

そこに新たに赴任してきた女医エリザは、人道的な治療を主張する心理学者ペルセポネと対立しながらも社命を盾に彼女を更迭させ、ナノマシンの注入による人体実験を強硬に開始する。
もう一人の来訪者、エリザが無人の宇宙船から救助したという名無しの男、彼も蘇生後、囚人とともに治療実験棟に放り込まれます。さらにコンピューターにハッキングされたステーションは軌道を離れダンテに落下を始めます。残された時間は僅か1時間足らずというタイムリミットつき!…一癖も二癖もある(笑)囚人たちと謎の男との密室劇に乞うご期待!ってことで期待してみたんですが、どうも舞台建ては良いのにお話がほそいほそい。エリザと謎の男が主人公かと思って見始めたら、どうもそうでもないというか、重点の置所にブレがあるというか、弱いなぁと思って見てたんですが、ナレーションがネタばらしをしてしまってから始まるクライマックスのガッカリと尻すぼみったらそれまでと比較にならないトンチンカンでしたよ。フランスに卓袱台があったら観客がひっくり返してるレベルです。
相棒のジャン=ピエール・ジュネは「エイリアン4」をものにしたのに残念なことです。
その4の何年も後から作った本作の設定とストーリーとテーマとラストが「エイリアン3」に似てるのはなぜだろうとも思うし…。ナノテクは単なる患者イジメで効能が明かされることは無かったし。
明かされなかったといえば聖ジョルジュと名づけられた謎の男、彼の謎がまったく明かされなかったのもすごい。そもそも「聖ジョルジュ(ジョージ、ゲオルグ)=竜を倒す者」ってのも浸透してないよ。それで不思議設定を説明した気になってお話進められちゃたまんない。あげく2001年!(笑)
謎!全部、謎!
そして残念!
アメリカだったら、フィルムを取り上げられて別の監督が再編集と追加撮影後劇場未公開でビデオスルーってシロモノでしたね。
ただ、この雰囲気だけは嫌いになれないんですよ…。
毎度おなじみドミニク・ピノンはじめ異形の俳優たちのキモさとか。
雰囲気だけなんですけどね。
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