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東京の少しずつ親切。

まずは年配のご婦人に席を譲ろうと立ち上がったiPhoneの女の子。
そのご婦人が見当違いな路線に乗っていることを知ってヘッドフォンを取って検索を始める。とても良いお嬢さんである。
近くにいた男性が次で降りれば乗り換えられると助け舟を出す。
ご婦人は降りる。
たまたまボクもその駅で降りる。
ご婦人は言われたようにしようとはせずホーム上で駅員を探しているふうだったが結局キオスクの店員をつかまえる。多分同じことを尋ねているのだろう。
忙しいキオスクの店員は乗り換えを教えてくれるだろうか。
若い男性店員は身振りを交えて丁寧に乗り換えホームを教えている様子。
一礼したご婦人は、しかしまた言われた方には行かずアサッテの方へ行こうとする。キオスクの青年は「あ、そっちじゃない…!」と言いたげに身を乗り出すが、さすがに店をあけて追いかけるわけにもいかず無念の表情で見送る。
違った電車に乗るようなら止めようと近寄ると、さっきの電車からやはりこの駅で降りたのだろう女性がボクより先にご婦人に駆け寄って手をとってあらためて案内する。
ボクは親切な女性に「ナイスです!親切な女の人!」と心のなかで喝采し気味の悪い微笑みを贈る。
今度こそ、ご婦人はホームの階段をゆっくりと降り始める。
たまたまボクも乗り換えで同じ階段を降りる。
そして左に折れれば正解と言うところをまっすぐ行かれるので、おっとこれは、ボクもひとつその親切とやらを、とご婦人に声をかけたら、それはまったく誰も居ないかのようにスルーされる(笑)
どうしようと見回すと、運良く警備の打ち合わせでもしているのかお巡りさんがたくさんいたのでご婦人を指して事情を簡単に説明したところ満面の笑みでまかせろとばかりに頷かれたので、安心して退散する。

乗り換えた電車の中で、人は皆、最後は迷子だ。
とか思う。
正解かどうかは知りませんが。
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